周りに相談できる医療関係者がいないけど、准看護師の働き方が気になる!と思っていませんか?

正看護師と准看護師の違いがわからない



仕事内容や給料の差や、受験資格に差はあるの?
私自身、准看護師で仕事をしていたころ、よく質問されていました。
実際に転職するときに面接で正看護師より准看護師歴が長いことを説明した際、看護部長に言われたことがこちら!



准看護師と正看護師って業務の違いってありますか?
意外なことに現役看護師や管理職の人でも、准看護師と正看護師の違いを詳しく知らない人が一定数いるようです。
准看護師と看護師の差は、保健師助産師看護師法第5条と第6条によって定められています。
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
出典:保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二〇三号)
准看護師が多数働いてる現場では、あえて正看や准看と略して呼ぶことも。准看護師がいない病院では、看護師で統一されていたりしますよ。この記事では、正看護師で呼び方を統一しています。
もう少しわかりやすくするため、准看護師にフォーカスした正看護師との違いはこの3点です。
- 准看護師が受けるのは資格試験
- 免許を発行するのは都道府県知事
- 准看護師は、医師や看護師の指示に従って看護業務を行う必要がある
医療行為は行えますが、准看護師は国家資格ではありません。法律上、看護師か医師の指示がなければ、准看護師は自分で判断して看護業務を行えないことになります。准看護師は正看護師に指示ができないため、病院によってはリーダー業務など業務の一部に制限をかけている所もあります。
実際、私が新卒で働いていた病院ではリーダー業務は正看護師に割り振っており、欠勤などでリーダー業務ができる人がいないなど限定した場面でなければ、准看護師に任されることはほとんどありませんでしたよ。
管理職に就くには、正看護師であることが暗黙のルールになっている病院がほとんど言っても過言ではないでしょう。法的にも、准看護師で管理職に就くケースは非常に稀です。
正看護師と准看護師の受験内容の差
正看護師と准看護師の受験内容の差は、正看護師は国家資格を受験し、准看護師は都道府県知事認可の資格試験を受験する点です。准看護師の資格試験は、国家試験のように必修問題や、毎年変動する一般問題+状況設定問題のボーダーラインがありません。
准看護師の合格判定基準はこちら!
合格判定の基準は、各合格者の得点がいずれも満点の百分の六十を下回らないこととする。
出典:准看護師試験基準より
准看護師の資格試験は、150点満点の試験なので90点以上の点数がとれていれば合格できる試験です。以前は都道府県によって試験問題が異なっていましたが、2021年より試験問題が全国統一へ変更となっていますよ。私が受験した時は統一問題になる前だったので、今は受験しやすくなったと感じます。
一方で正看護師が受験する国家試験は、必修8割と一般問題+状況設定問題は毎年ボーダラインが変化します。そのため、准看護師の資格試験より合格のハードルが高いと感じるのではないでしょうか。
もう少し詳しい正看護師と准看護師の違いはこちら。
- 正看護師は看護計画が立案できるが准看護師は立案できない
- 准看護師の免許は都道府県知事が発行する資格
- 准看護師の資格試験は150点満点中90点以上取得で合格できる
- 正看護師より准看護師は給料が低い
- 准看護師は正看護師より求人が限定される
正看護師と准看護師では、試験の合格基準や免許の発行元が異なるので、給与面や求人数に差があります。特に求人面では、准看護師の求人は正看護師と比べると、募集している施設や病院数が限定されてしまいます。
今回は、認知度が低い准看護師について詳しく説明していきます!
正看護師は看護計画が立案できるが准看護師は立案できない
正看護師は、看護学校で看護診断や看護計画を授業で習いますが、准看護師は立場上看護計画の立案はできないため、看護学校で看護計画や看護診断を扱うことはありません。
正看護師は保健師助産師看護師法第5条で
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。」
出典:保健師助産師看護師法の抜粋より
と定められています。つまり、正看護師は自分で判断して行動することができます。
しかし戦後の看護師の需要が加速し、看護師の補助資格として設立された歴史を持つ准看護師は、医師か看護師に指示を仰ぐ必要があるので、看護計画の立案やアセスメント力は求められません。看護師の補助という立ち位置ですが、時代の流れとともに、
実際、卒業後に就職した病院で、看護計画について教えてもらい、正看護師さんが立てた計画の評価をしていました。逆に正看護師が多数働いている病院では、准看護師と正看護師の業務内容の差を指導担当が詳しく把握していないこともあります。
准看護師の免許は都道府県知事が発行する資格試験
准看護師と看護師の差は、都道府県知事が認可する資格であり、国家資格ではないという点ではないでしょうか。正看護師は国家資格で、認可するのは厚生労働大臣です。
正看護師と准看護師の試験内容・入学条件・できないことについては、わかりやすく表にまとめてみました。
ちがい | 正看護師 | 准看護師 |
試験内容 | 国家試験 | 資格試験 |
認可 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 |
入学条件 | 高校卒業 | 中学卒業 |
看護計画 | 立案・評価OK | 立案不可(評価はOK) |
准看護師はアセスメント力が求められないため、自分で判断して行動することの代表として看護計画の立案はできません。ただし、正看護師が立案した看護計画の評価は、准看護師でも可能ですよ。
入学条件が異なるのは、准看護師が看護師の補助というポジションで設立された経緯があるからでしょう。正看護師は国家資格になるので、広く深い知識が求められる一方で、准看護師は浅く広い知識を求められる差があると看護学校で教えてもらいましたがその通りだと思います。
実際准看護師と正看護師両方の資格を持っている、免許の差を3つほど紹介しますね。
正看護師より准看護師は免許が手元に届くスピードが早い
給与が正看護師より低い
給与だけでなく資格手当も准看護師は低い
業務面や教育面では、新卒の正看護師の同期と同じ内容だったので、教育格差はないと思います(個人の意見です)
准看護師の資格試験は150点満点中90点以上取得で合格できる
正看護師は国家試験に合格するため、必修8割・一般状況設定問題は150点以上は絶対取れるよう、看護学校で聞き飽きても言われたのではないでしょうか?実はコレ、正看護師だけで、准看護師は点数さえ取れたら合格できるんです。
厚生労働省が定めている准看護師の試験基準で
と明確にされています。
点数さえ取れていれば、准看護師になることができるので、令和4年度の合格率は正看護師87.8%に対して97.7%と准看護師の試験は合格率が高いことも特徴的ですね。
絶対看護職で働きたい!という人は、正看護師の専門学校や大学に通っていれば、受験資格認定者として准看護師の試験も受けることができます。万が一国家試験に落ちた時の保険として、准看護師の資格試験も受験し准看護師として働くという選択肢を選ぶ人も一定数いますよ。
正看護師と准看護師の給料や求人の差
正看護師は国家資格のため、准看護師より基本給や手当が数千円~数万円程度高い傾向にあります。実際に准看護師から看護師になった私の給与明細を比べると、基本給は数万円の差がありましたよ。
准看護師は国家資格ではないため、正看護師と比べると給料面はやや下がるのはしかたがないと個人的には割り切っています。あまり知られていませんが、看護師業界は正看護師でも専門学校や大卒など、最終学歴で基本給が変化する学歴社会です。
准看護師の求人を見ても、准看護師単独の募集はかなりレア。ほとんどが准看護師と看護師の求人は、セットになっているパターンをよく見かけます。逆に看護師のみの求人しかない医療機関もあるので、就職のしやすさも知っておいて損はありません。
正看護師より准看護師は給料が低い
同じような業務を担当しますが、准看護師と正看護師で給料に差があります。実際の看護の現場では、給料の差は正看護師>准看護師>介護福祉士>看護助手の順に給料に差がありますよ。
求人サイトを見てみると、准看護師は正看護師に比べて、基本給は数万円程度低い求人がほとんどです。実際に働いてみると資格手当や夜勤手当も、准看護師は看護師より明らかに低く設定されています。
実際に私が地方准看護師として10年働いていた時の、給与明細を参考に解説しますね。
基本給:約165000円
資格手当:15000円
夜勤手当:1回約8000円
地方都市などでは、もう少し給料が高いようです。准看護師7年目から通信制の看護学校で看護師を目指せるようになってから、正看護師になったあとの給料はこちら!
基本給:約189000円
資格手当:20000円
夜勤手当:1回約10000円
基本給は約24000円、資格手当では5000円の差がありますね。わかってはいても、給料でこんなに差がつくのを知ると、複雑な心境になります。
准看護師は正看護師より求人が限定される
准看護師の求人は、正看護師よりも求人数が限定されているのが現状です。残念ながら、准看護師に限定した求人はかなりレアでほとんどの求人が、正看護師でも准看護師でもどちらでもOKというスタンスです。
正看護師の場合、看護加算が診療報酬に加算できますが、准看護師はこの加算対象には入らないため病院側としてはできれば正看護師を雇用したいと考えているのでしょう。
平成ではある程度准看護師の雇用もありましたが、令和になって正看護師のみを起用する病院も増えてきています。求人はゼロではありませんが、地方になると正看護師と比べて准看護師の求人は限定されるのが現実。
もし准看護師を目指そうと考えてこの記事を読んでいる人は、まずは地元の准看護師の求人を確認してみてください。准看護師の求人は、正看護師に比べて求人数が限定されていることがわかると思います。
准看護師を目指す人が減っている
令和に入り准看護師を准看護師を目指す人は、どんどん減りつつあります。自治体によっては、准看護師養成所がないところもあり、正看護師しか目指せないところもあるようです。
なぜ減っているのかというと、准看護師から正看護師になる人が増えたからではないかと考えます。なぜ准看護師から看護師になる人が増えているのは、こちら。
- 看護協会が法務大臣に准看護師の養成の停止を要請している
- 准看護師として7年以上実務経験があれば通信制の看護学校に入学できるようになった
- SNSやネットの普及により准看護師と看護師について情報を得やすくなった
このようなきっかけで、正看護師を目指しやすくなったと私は考えています。
もともと実務経験10年以上だった通信制の入学が、7年と短縮されたことで入学式ギリギリまで募集していた母校の通信制の看護学校では、3次受け付けで募集が終了するなど入学者がかなり増えているそうです。
准看護師と正看護師両方の経験を持つ私の意見としては、ネットが発達しSNSなどを通じて事前に情報をリサーチできるようになったことから、いつ廃止が決定するかわからない准看護師より、正看護師の道を選ぶ人が増えているのではないかと個人的には思います。
まとめ
准看護師は、医師か看護師の指示のもとで看護業務を行ってきましたが、時代が変わり今では個人のアセスメント力が求められる時代へ移行しています。その影響で養成所や准看護師が減り、通信制の看護学校への入学条件が7年から5年へ引き下げられるなど、准看護師が正看護師を目指しやすくなってきています。
准看護師から正看護師を目指すのは、正直かなり大変です。子育てや介護をしている人は、家庭との両立が大変だと思います。こういった大変さも、令和ではSNSで情報を発信している人が増えているので、とても参考になると思います。高校の時点でもう少し看護系の情報を集めていたら、勉強をもっと頑張っていたかもしれないと思います。
准看護師という経験がなければ、今の私はないので人と違った経験ができたのは良かったのかもしれません。もし今から准看護師と正看護師のどちらを目指すか悩んでいるなら、私は正看護師をおすすめします。正看護師を目指せば、准看護師の資格試験に挑戦することができますしね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。